渋沢栄一からみる商人

~論語と算盤から

    石田梅岩をみる~

 

商人にとって、

田んぼにあたるものは天下の人,

天下の人は、

商人の俸禄のご主人様とし、


今でいう顧客満足を考え、士農工商の時代に商人の社会的地位の向上を図った石門心学の創始者の石田梅岩につて考えて改めて考えてみました。

 

       ※本の写真はAmazonから

「日本資本主義の父」と言われる渋沢栄一の

               心学に対する考え

 

渋沢栄一翁が日本の新1万円札の肖像に採用されるとのことで話題になっています。

 

この渋沢氏の著書「論語と算盤」に「教育と情誼(じょうぎ)」の章があり、そのなかで、心学についての記述があります。それは、石門心学の創始者の石田梅岩の弟子の中沢道二の「道二翁道和」のなかの「孝行人」の話です。

 

故渡部昇一著「論語と算盤が教える人生繁栄の道」(上記写真)では、これに関して、下記のような渡辺氏の感想が付されています。

 

『道徳の大切さを説く渋沢が心学に興味を持ち、面白いと思うのは当然でしょう。

むしろ私は、心学こそ渋沢栄一の考えと、ある意味では「論語」以上に合致する学問だったのではないかと思っています。』

 

 さらに、下記のような渋沢栄一のやり取りも説明しています。

 

大蔵省を辞めようとする渋沢に対する友人が掛けた言葉は「・・・共に官に身を置いて国家のために尽くすべきだ。賤しい金銭に目が眩んで商人になろうとは呆れたことだ。・・・」

 

これに対し渋沢は

「金銭を扱う仕事がどうして賤しいのか、君のように金銭を卑しむようでは国家はなりたたない。

人間の勤めるべき尊い仕事はいたる所にある。官だけが尊いのではないぞ。」

 

士農工商制により、商業が軽んじられていた時代に商人地位向上に尽力した梅岩との共通するところがあったといえます。